プロスポーツの今後

オーナーになる資格

2004年9月20日

土日のプロ野球が中止になったおかげで、今後の日本スポーツ界について、いろんなことを考えるチャンスが生まれた。よし、今日はどんなことを考えたかメモしてみよう。

★福岡ドームでダイエーの選手がサイン会をやったら、球場一周以上の列ができた。

テレビで知ったのだが、ダイエーがやってきたファンサービスは参考になる。ダイエーは福岡ドームが常に満杯になるように地元企業に安くチケットを卸したそうだ。そして、地元企業は安く買ったチケットを様々な顧客サービスに使った。その結果、ダイエーファンが徐々に増え、次第にチケットが高く売れるようになった。

教訓:球団は一企業の持ち物じゃない。地域全体の宝だ。チケット代を安くしてでも球場を満員にせよ! そうすれば浮いたお金で観客はビールを飲んだり弁当を食べたり、お土産を買ってくれる。

★北海道日本ハムのファンサービスがドキュメンタリー番組で紹介された。日本ハムは東京ドームを本拠地にしたことで当初はかなりの観客を集めた。しかし、ドーム人気を球団の人気と勘違いしてファンの育成に失敗。北海道でゼロからやり直すことになった。

★サッカーのアルビレックス新潟の場合、子供の年間入場料を極端に安くして大人を呼び込んだ。人口約50万の新潟市だが、アルビレックスの試合には毎回4万人のファンが詰めかける。

このドキュメンタリーを見て思い出したのだが、かつてヤクルトにもこういう時代があった。アタシが小学生の頃にサンケイアトムズからヤクルトアトムズになったのだが、その頃の観客数は巨人戦以外だと千人を割ることさえあったのだ。(神宮球場では六大学野球の方が観客数が多かった)

そこでヤクルトはヤクルトアトムズ・ファンクラブを作り、小学生に年間500円で神宮球場のフリーパスと野球帽を与えた。(巨人戦は外野席のみ解放。その他の試合は内・外野席を解放)

確かその頃は神宮球場で行われるヤクルトの試合が年間45試合ぐらいだったと思うが、アタシは神宮球場に40回通った覚えがある。なぜそんなことを覚えているかというと、会員カードにハンコを捺してもらうと、ハンコの数に応じて様々な景品がもらえたのだ。

まずハンコ10個でタオルだかシャツをもらった。そしてハンコ20個で選手のサイン入り絵皿、ハンコ30個でバット、ハンコ40個でグローブだったと思う。よく覚えてないが、少なくともバット、サイン入り絵皿、グローブの3点はアタシの宝物になった。

モノスゴイ大出血サービスだよ。試しに当時の500円がどれぐらいの価値だったかを考えてみよう。アタシは中学に入ってすぐに卓球をはじめたのだが、その頃バタフライのスレイバーというラバーが定価800円だった。

スレイバー・G2

調べてみると、現在スレイバーシリーズの中で最も高いスレイバーG2が4,200円。この数字を元に単純計算してみよう。

4,200÷800×500=2,625円

アタシはこの金額で神宮球場の年間フリーパスと野球帽、バット、グローブ、サイン入り絵皿、タオル、オモチャなどを手に入れたわけだ。これって凄くない? ヤクルトは本気だったんだよ。子供達が大人になるまで、どんなことがあっても球団を手放さない覚悟があった。だからこそアタシたちのような悪ガキに過大とも思える先行投資をすることができたのだろう。

ヤクルトという会社は立派だと思うぞ。少なくとも近鉄やオリックスよりファンを大切にしている。(北海道日本ハムは、今年から小学生に年間2,000円のフリーパスを発行している。そう言えば30ウン年前の500円は、現在の2,000円ぐらいのような気がする)

教訓:プロ球団のオーナーになるなら、どんなに苦しくてもチビッ子ファンが大人(親)になるまで球団を保有し続ける覚悟を持たなければならない。そして、もし球団を保有し続けることができない理由が生じた場合は、ファンを大切にする後継企業を探さなければならない。

つまり、金を持っているだけの経営者はダメってことだ。オーナーがスポーツを愛していることが絶対条件になる。そう考えるとシダックスの志太会長は十分な資格を持っているが、ライブドアの堀江社長はちょっと疑問。楽天の三木谷社長はプロサッカーチームを持っているので一応合格点かな?